李朝（李氏朝鮮）の骨董錠前、銘入り（写真１１）です。銘刻は右書きで「成金」、右読みで「キム・ソン」、錠前の製作者でしょうか。 先に出品の、解錠の方法が特徴的な李朝の骨董錠前その１、その２よりは解錠が難しいと思います。今回出品の錠前に関しても、購入いただいた方に、試行錯誤と解錠瞬間を味わっていただきたいと思い、解錠などの説明は省略させていただきます。 難しくなく、手間取ることもなく、あっと言う間に解錠できるかも分かりません。この場合も、鍵の立体形状、板バネとの嵌合など、構造の創意工夫に、なるほどと思っていただけると幸いです。 なお、今回出品の錠前の板バネ部は、他ではあまり見かけない構造です。写真１１〜１５に見られるように、厚みのある４枚のバネ材が柱状に配置されていますが、その縁などには「はめ込み」や「ギザギザ」加工が施された特徴的なものです。何故このような加工が施されているの明確な理由は分かりませんが、ロック機構をより強固に強靭にするためでしょうか？ 材質は銅もしくは銅合金ですが、いつ頃の製作か（経年）？などは不明です。汚れや緑錆、傷などが見られますが、変形などはほぼなく、堅牢さがしっかりと残されています。 大きさ（㌢）重さはおよそ次の通りです。 【錠前】 横幅８．９、高さ３．３、奥行２．２／ 施錠域５×０．９、軸径０．３／ 重さ１５５㌘／ 【鍵】 長さ１６．５、横幅１、重さ２０㌘／ 解錠にトライしてみて下さい。解錠に際し、鍵を奥に差し込む時は力を入れ過ぎず、直ぐにロックが解除されない時は何回か鍵の戻し入れを行うなどして下さい。必ず解錠出来ます。なお、鍵の紛失には注意下さい。